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[戦後80年] 和木と岩国遺族焼香 高校生祈り 旧陸軍燃料廠

 太平洋戦争末期の1945年5月10日にあった旧岩国陸軍燃料廠一帯への米軍の空襲から80年を迎えた10日、燃料廠があった和木町と岩国市で犠牲者を悼む法要や集いがあった。

 和木町の養専寺では空襲犠牲者の顕彰法要があった。爆撃が始まったとされる午前9時45分に鐘が鳴らされると、参列した遺族や住民たち約30人は燃料廠の方角に向かい手を合わせ、境内の殉職者之碑の前で焼香した。燃料廠勤務だった当時33歳の父を亡くした浜田市の中上和子(としこ)さん(83)は「戦争がなければ父はもっと元気に生きたでしょう」と話した。

 岩国市川西の岩国高では、学徒動員中に亡くなった12人を悼む集いがあった。校庭の慰霊碑前に同窓会関係者や生徒たち約70人が参列。生徒が花を生けた花瓶をささげた。生徒会長の3年西田彩矢さん(17)が「平和な日々に感謝し、戦争のない世界になるよう祈りを込めたい」と誓った。

 和木町史によると空襲で隣接の旧興亜石油も含め、356人が犠牲になったとされる。(長久豪佑、大平健幹)

(2025年5月11日朝刊掲載)

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