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[戦後80年 備後] 記憶と平和の願い 次代へ 福山で戦没者追悼式

 福山市戦没者追悼式が10日、同市丸之内の福山城公園であった。市や市遺族会でつくる実行委員会の主催。遺族たち204人が参列し、平和への思いを新たにした。

 参列者は黙とうし、献花台に花を手向けた。実行委員長の枝広直幹市長は式辞で「戦後80年の節目に当たり、過去の記憶を風化させず次世代へ引き継いでいくため、市は福山空襲の体験者から当時の実情を伺い、映像として残す取り組みを始める」と述べた。

 終了後、市遺族会のひ孫代表、末信陽菜さん(21)=同市駅家町=は「今の日本の平和は戦争で亡くなった人たちの犠牲の上にある。平和が続くために、自分たち若者も考え続けないといけない」と力を込めた。

 市によると、市出身の戦没者は8068人。父親がフィリピンのルソン島方面へ向かう船で亡くなったという山本哲男さん(83)=同町=は「父の遺骨はまだ見つかっていない。世界で続く戦争が早く終わってほしいと願うばかり」と話していた。(頼金育美)

(2025年5月11日朝刊掲載)

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