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朝鮮半島出身者 原爆被害の現状 中区で援護枠外や差別の実態紹介

 県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖(キム・ジノ)会長(79)が10日、広島市中区の広島弁護士会館であった集会で講演した。日本の植民地だった朝鮮半島の出身者の原爆被害と現状について、市民60人を前に語った。

 太平洋戦争時、軍都だった広島には徴用などで来た大勢の朝鮮半島出身者が暮らしていた歴史を説明。彼らが被爆した要因を「日本の間違った植民地政策」と指摘した。

 日本と国交がない北朝鮮に暮らす被爆者が援護の枠外となっており、医療支援を求めている実態にも言及。胎内被爆者である自身の体験を交えながら、被爆後に広島に残った人々は差別に苦しんできたとも語った。

 集会は市民団体「8・6ヒロシマ平和へのつどい2025実行委員会」が主催した。(小林可奈)

(2025年5月11日朝刊掲載)

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