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海外元首脳 核の現状に警鐘 広島 被爆地出身の若者と意見交換

 元南アフリカ大統領の故ネルソン・マンデラ氏が設立した国際人道グループ「エルダーズ」が13日、広島市中区の広島国際会議場でシンポジウムを開いた。エルダーズのメンバーである海外の元首脳や被爆地出身の若者が、核兵器の現状などを巡り意見を交わした。

 元ニュージーランド首相のヘレン・クラーク氏は、核保有国のインドとパキスタン間などで高まる緊張を踏まえ「被爆80年こそ『二度と繰り返してはならない』という言葉を思い起こし、実践する時だ」と強調した。

 若者側は、核廃絶に取り組む広島市安佐南区出身の高垣慶太さん(22)と長崎市出身の大学生山口雪乃さん(22)が登壇した。高垣さんは、平和記念公園の原爆供養塔に身元不明の遺骨が数多く眠っていることに触れ「原爆被害は今も続いていることを、被爆者の証言や経験とともに伝えなければならない」と語った。

 閉会に際して前国連事務総長の潘基文(バン・キムン)氏は、被爆国日本の役割として「核兵器禁止条約により緊密に関わり、締約国会議にオブザーバー参加するよう勧めたい」と述べた。

 シンポは、広島県主導の官民組織「へいわ創造機構ひろしま(HOPe)」と国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所の共催。市民たち約150人が参加した。(小林可奈)

(2025年5月14日朝刊掲載)

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