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「黒い雨」救済 5人追加提訴 広島地裁

 広島原爆の投下後に降った「黒い雨」の被害者救済を巡り、国が2022年4月に運用を始めた新たな被爆者認定基準の下で被爆者健康手帳を申請し、却下されるなどした広島県内の住民が県と広島市に却下処分の取り消しなどを求めた集団訴訟で、同市と廿日市市、安芸太田町の79~93歳の男女5人が13日、広島地裁に追加提訴した。原告は計84人になった。

 訴状によると、5人のうち当時胎児だった1人を含む2人は津田町(現廿日市市)で、他の3人はそれぞれ横田村(現安芸高田市)、原村(現北広島町)、戸河内町(現安芸太田町)で雨を浴びた。いずれの地域も県や市が審査の参考にする三つの降雨域の外という。

 5人は24年10月~25年1月、県や広島市に被爆者健康手帳の交付を申請したが、雨が降ったことが確認できないとの理由でいずれも却下された。「黒い雨が降った範囲は雨域に限られるものではない」などと訴えている。(江頭香暖)

(2025年5月14日朝刊掲載)

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