[NPT準備委] 「疑心暗鬼突破する理性を」 保有国に広島市長
25年5月15日
核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会が勧告案の採択を断念したのを受け、広島市の松井一実市長は14日の記者会見で、核兵器保有国が互いを信用しない悪循環が起きていることが一因との見方を示した。核兵器廃絶へは対話を重ね、信頼関係を築くのが肝要とし、「疑心暗鬼を突破する理性が必要」と訴えた。
松井市長は準備委出席に合わせ、核保有国の米英仏の政府代表者と面会。核兵器廃絶の重要性を「理解してくれる」としつつ、歴史的な他国への不信感から核兵器を減らせないのが現状だとして「未来志向の議論が極めて重要だ」と強調した。加盟国に核軍縮の交渉義務を定めたNPT第6条に基づき、特に核超大国の米ロが率先して行動するよう求めた。
会見では、平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑の碑文への「違和感」を唱えた自民党の西田昌司参院議員の発言への見解も問われ、「誤解がある」と反論。碑文の主語は「すべての人々」と改めて解説し、「ぜひ広島市に来て被爆の実相に触れてほしい。碑文の趣旨はしっかり説明するので理解を深めてほしい」と訪問を呼びかけた。(樋口浩二)
(2025年5月15日朝刊掲載)
松井市長は準備委出席に合わせ、核保有国の米英仏の政府代表者と面会。核兵器廃絶の重要性を「理解してくれる」としつつ、歴史的な他国への不信感から核兵器を減らせないのが現状だとして「未来志向の議論が極めて重要だ」と強調した。加盟国に核軍縮の交渉義務を定めたNPT第6条に基づき、特に核超大国の米ロが率先して行動するよう求めた。
会見では、平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑の碑文への「違和感」を唱えた自民党の西田昌司参院議員の発言への見解も問われ、「誤解がある」と反論。碑文の主語は「すべての人々」と改めて解説し、「ぜひ広島市に来て被爆の実相に触れてほしい。碑文の趣旨はしっかり説明するので理解を深めてほしい」と訪問を呼びかけた。(樋口浩二)
(2025年5月15日朝刊掲載)