呉市、防衛拠点案容認へ 日鉄跡整備 月内にも国に要望
25年5月16日
呉市の日本製鉄(日鉄)瀬戸内製鉄所呉地区跡地での防衛省の複合防衛拠点整備案を巡り、同市が整備を容認する方針を固めたことが15日、分かった。市は16日の市議会議会協議会(全員協議会)で整備案の受け入れを表明。5月中にも防衛省や財務省に早期整備を要望する。(高木潤)
複数の関係者が明らかにした。うち一人は「市議の大半が賛成で、受け入れに前向きな住民が多いことが判断材料になった」と明かす。市は、地元経済への波及効果や雇用創出が進むよう、特に装備品などの維持整備や、民間企業誘致エリアのできるだけ早い活用開始を要望し、施設整備には地元企業の優先採用を求めるという。
防衛省は2024年3月、約130ヘクタールの跡地を一括購入し、複合防衛拠点として整備したい意向を広島県と市に申し入れた。25年度予算案には、施設建設に向けた調査費4億6千万円を計上。今年3月には県、市、日鉄との4者協議で、民間企業誘致エリア▽隊員が勤務する庁舎▽火薬庫―など計12のエリアに分けて活用する案を示した。
呉市の新原芳明市長は、防衛省の提案を当初から「重要な選択肢」と位置付けていた。昨年7月には市と市議会が連名で、防衛省に経済波及効果の高い産業の誘致や、火薬庫を主要施設にしないことを要望した。呉商工会議所も跡地購入の早期契約を求めていた。
一方、県は、防衛省案を「選択肢の一つ」としてきた。今年4月には4者協議の継続を求めた。市が同月に開いた住民説明会では、地域活性化に期待する地元住民が目立った。一方、「有事の際の標的になる」などと反対する市民もいた。
(2025年5月16日朝刊掲載)
複数の関係者が明らかにした。うち一人は「市議の大半が賛成で、受け入れに前向きな住民が多いことが判断材料になった」と明かす。市は、地元経済への波及効果や雇用創出が進むよう、特に装備品などの維持整備や、民間企業誘致エリアのできるだけ早い活用開始を要望し、施設整備には地元企業の優先採用を求めるという。
防衛省は2024年3月、約130ヘクタールの跡地を一括購入し、複合防衛拠点として整備したい意向を広島県と市に申し入れた。25年度予算案には、施設建設に向けた調査費4億6千万円を計上。今年3月には県、市、日鉄との4者協議で、民間企業誘致エリア▽隊員が勤務する庁舎▽火薬庫―など計12のエリアに分けて活用する案を示した。
呉市の新原芳明市長は、防衛省の提案を当初から「重要な選択肢」と位置付けていた。昨年7月には市と市議会が連名で、防衛省に経済波及効果の高い産業の誘致や、火薬庫を主要施設にしないことを要望した。呉商工会議所も跡地購入の早期契約を求めていた。
一方、県は、防衛省案を「選択肢の一つ」としてきた。今年4月には4者協議の継続を求めた。市が同月に開いた住民説明会では、地域活性化に期待する地元住民が目立った。一方、「有事の際の標的になる」などと反対する市民もいた。
(2025年5月16日朝刊掲載)