F35B新部隊 岩国に波紋 米軍基地 住民、騒音増懸念 自治体は詳細確認急ぐ
25年5月17日
米軍岩国基地(岩国市)に今月、米海兵隊のステルス戦闘機F35Bの飛行隊が新たに配備された。海兵隊の戦闘機部隊は3隊から4隊へ増えたことになり、市民からは騒音の増大などを懸念する声が出ている。ただ地元自治体はまだ容認や反対の態度を示していない。駐留期間を含めた詳細が分かっていないためで、防衛省を通じて確認を急いでいる。(長久豪佑、大平健幹)
新たな飛行隊は米国のユマ基地を拠点としてきた第211海兵戦闘攻撃中隊。4月下旬から岩国基地への飛来を始め、5月10日までに10機程度を展開させたとみられる。米軍は「インド太平洋地域での飛行作戦を支援するため」と説明する。
米海兵隊はもともと岩国にF35Bの飛行隊を3隊配備していた。在日米海兵隊第1海兵航空団(沖縄県)は中国新聞の取材に、新たな部隊は「4番目のF35B飛行隊だ」と回答。詳細な説明はなかったが、部隊が増えたことは明言した。
一方、自治体に事前の通知はなかった。岩国市基地政策課は「現時点では住民生活への影響が判断できない」と慎重な姿勢をみせる。部隊の増隊が一時的か、長期的かが分からないためだ。中国四国防衛局に駐留期間などを尋ねているが、16日夕までに回答はないという。山口県岩国基地対策室も「国が詳細を確認している」とする。
岩国基地の戦闘機を巡っては昨年8月、防衛省が「10機程度減少する」との見通しを自治体側に伝えた経緯もある。今回の配備との整合性は現時点では不明という。
岩国市の複数の市民団体は、飛行隊の配備が基地機能の強化に当たり、騒音の拡大につながると指摘して「容認できない」と抗議している。
(2025年5月17日朝刊掲載)
新たな飛行隊は米国のユマ基地を拠点としてきた第211海兵戦闘攻撃中隊。4月下旬から岩国基地への飛来を始め、5月10日までに10機程度を展開させたとみられる。米軍は「インド太平洋地域での飛行作戦を支援するため」と説明する。
米海兵隊はもともと岩国にF35Bの飛行隊を3隊配備していた。在日米海兵隊第1海兵航空団(沖縄県)は中国新聞の取材に、新たな部隊は「4番目のF35B飛行隊だ」と回答。詳細な説明はなかったが、部隊が増えたことは明言した。
一方、自治体に事前の通知はなかった。岩国市基地政策課は「現時点では住民生活への影響が判断できない」と慎重な姿勢をみせる。部隊の増隊が一時的か、長期的かが分からないためだ。中国四国防衛局に駐留期間などを尋ねているが、16日夕までに回答はないという。山口県岩国基地対策室も「国が詳細を確認している」とする。
岩国基地の戦闘機を巡っては昨年8月、防衛省が「10機程度減少する」との見通しを自治体側に伝えた経緯もある。今回の配備との整合性は現時点では不明という。
岩国市の複数の市民団体は、飛行隊の配備が基地機能の強化に当たり、騒音の拡大につながると指摘して「容認できない」と抗議している。
(2025年5月17日朝刊掲載)