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硫黄島で離着陸訓練 米軍岩国基地の艦載機 19日から

 中国四国防衛局は16日、米軍岩国基地の空母艦載機が19~31日、硫黄島(東京都)で陸上空母離着陸訓練(FCLP)をすると岩国市と山口県に伝えた。また、天候不良などで硫黄島で訓練できない場合の予備施設に岩国など国内4基地が指定された。

 FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返し、激しい騒音を伴う。最新鋭のステルス戦闘機F35Cなど5機種が参加する。予備施設は岩国と三沢(青森県)横田(東京都)厚木(神奈川県)の各基地が指定され、期間はいずれも19~31日。

 FCLPに続き、洋上の空母で離着艦を繰り返す着艦資格取得訓練(CQ)が行われる。CQの期間や場所について、防衛局は「米側から情報を入手できていない」と岩国市に説明した。昨年は九州沖で実施され、市は「深夜を含む夜間の航空機騒音は、市民生活への影響が少なからずあった」としている。

 岩国市など2市2町と山口県でつくる連絡協議会は16日、岩国基地を使わず、CQは硫黄島付近で実施するよう米側に要請するよう防衛局に申し入れた。

 広島県や広島市、大竹市、廿日市市、江田島市も同日、FCLPを岩国基地で実施しないように求める要請書を防衛省や在日米大使館などに郵送した。

 防衛省はFCLPの硫黄島からの移転を見据え、鹿児島県西之表市の馬毛島で自衛隊基地の建設を進めている。(大平健幹、和多正憲)

(2025年5月17日朝刊掲載)

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