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核の危機 若者が行動を 広島市長の平和宣言骨子案

 広島市は19日、被爆80年の平和記念式典で松井一実市長が読み上げる平和宣言について、文案を練る懇談会の第2回会合を市役所で開いた。座長の松井市長は、核兵器に依存する為政者に政策転換を促すため若い世代に行動を呼びかける骨子案を提案。おおむね賛同を得た。

 被爆者の才木幹夫さん(93)=中区、八幡照子さん(87)=広島県府中町=や平和分野の研究者、教員たち委員全8人が出席した。非公開の会合後、松井市長は報道各社の取材に、核を巡る国際情勢が厳しさを増す現状への危機感を強調。「とりわけ市民社会を担う若い世代が、平和文化の振興に取り組み、活動の輪を広げてほしい」と述べた。

 宣言の構成に関しては、被爆、復興、現在と時系列に沿って時々の被爆者の声などを紹介する手法を推す意見が出たと説明。結婚差別など、被爆者の具体的な苦難に触れるべきだとの声もあったという。

 市は7月上旬の最終会合で宣言の文案を示し、しめくくりの議論をする。(樋口浩二)

(2025年5月20日朝刊掲載)

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