平和の願い 高まりに期待 両陛下、広島訪問へ 土砂災害被災地も励みに
25年5月20日
天皇、皇后両陛下が来月19、20日に広島市を訪問されることが発表になった19日、被爆者たちから歓迎の声が上がった。被爆80年の節目に、国民の平和への願いが一層高まるのを期待。2014年の広島土砂災害の被災地も視察予定で、復興に取り組む住民たちの励みになりそうだ。(新山創、神田真臣、下高充生)
天皇陛下は皇太子時代の06年10月以来の平和記念公園訪問となる。原爆資料館が19年に全面リニューアルし、地下に埋もれた旧中島地区の痕跡を伝える「被爆遺構展示館」は22年に開館した。
両館とも初日に見学し、被爆者との懇談もある。日本被団協代表委員で広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(83)は「両陛下が広島で核兵器や戦争、平和について考えられることで、若い世代が関心を持つきっかけになってほしい」と願う。
2日目に訪れる原爆養護ホーム「矢野おりづる園」(安芸区)には被爆者たち98人が暮らす。村上俊章施設長(60)は「陛下自身も戦後世代として、悲惨な体験をどのように後世に伝えるか考えておられるのでは」と察した。
14年8月に発生した広島土砂災害の被災地には、上皇ご夫妻も在位中の同年12月に訪問された。23年に開館した市豪雨災害伝承館(安佐南区)の館長、高岡正文さん(73)は土石流の直撃を受け自宅を失った。以来、一帯の復興に取り組んできただけに「被災地に思いを寄せていただき、うれしい」と喜ぶ。
広島県の湯崎英彦知事は、「核兵器のない世界」の実現や防災・減災に向けた取り組みを挙げ「両陛下のご来県は県民にとって大きな喜びであります」とのコメントを発表した。
(2025年5月20日朝刊掲載)
天皇陛下は皇太子時代の06年10月以来の平和記念公園訪問となる。原爆資料館が19年に全面リニューアルし、地下に埋もれた旧中島地区の痕跡を伝える「被爆遺構展示館」は22年に開館した。
両館とも初日に見学し、被爆者との懇談もある。日本被団協代表委員で広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(83)は「両陛下が広島で核兵器や戦争、平和について考えられることで、若い世代が関心を持つきっかけになってほしい」と願う。
2日目に訪れる原爆養護ホーム「矢野おりづる園」(安芸区)には被爆者たち98人が暮らす。村上俊章施設長(60)は「陛下自身も戦後世代として、悲惨な体験をどのように後世に伝えるか考えておられるのでは」と察した。
14年8月に発生した広島土砂災害の被災地には、上皇ご夫妻も在位中の同年12月に訪問された。23年に開館した市豪雨災害伝承館(安佐南区)の館長、高岡正文さん(73)は土石流の直撃を受け自宅を失った。以来、一帯の復興に取り組んできただけに「被災地に思いを寄せていただき、うれしい」と喜ぶ。
広島県の湯崎英彦知事は、「核兵器のない世界」の実現や防災・減災に向けた取り組みを挙げ「両陛下のご来県は県民にとって大きな喜びであります」とのコメントを発表した。
(2025年5月20日朝刊掲載)