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被爆の実相 記憶をつなぐ 近大付広島高・中東広島校で巡回展

 米軍による広島や長崎への原爆投下の実相や核兵器の現状を伝える「巡回原爆展」が、東広島市高屋うめの辺の近畿大付属広島高・中東広島校で開かれている。市が展示資料を市内の学校に貸し出す取り組みの一環で、同校での実施は初めて。6月6日まで。

 同校の図書室前の廊下に、東広島市内で撮影された原爆のきのこ雲の写真や、広島市内に救援活動に向かった賀茂高等女学校(現賀茂高)の説明など計20枚のポスターが並ぶ。建物疎開作業のために西条駅から広島市内の学校に登校して被爆、その後に亡くなった生徒の様子も紹介している。

 今月末に平和記念公園(広島市中区)を訪れる中学3年生の事前学習や、生徒が被爆の実相を学び、平和について考えるきっかけにしてほしいと企画した。中学3年の山本結貴さん(14)は「当時、同世代が懸命に救援活動に当たっていたことを初めて知った。被爆のことをしっかり学び、伝えていきたい」と見入っていた。(石井雄一)

(2025年5月21日朝刊掲載)

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