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広島市への修学旅行誘致 助成活用校を受け入れ 東京の中学生 被爆証言聞く

 広島平和文化センターが本年度に創設した広島市への修学旅行生向けの助成制度で、活用した学校の受け入れが21日、始まった。これまでに東京の公立中7校を「モニター校」に指定。平和学習の成果を確認し、修学旅行生の増加につなげる。

 この日は、板橋区の志村一中3年生183人が中区の平和記念公園を訪問。広島国際会議場で、被爆者の切明千枝子さん(95)=安佐南区=の「あの日」の体験を聞いた。通っていた広島県立広島第二高等女学校(現皆実高)に皮膚の焼けただれた下級生が続々と戻り「ずるずるの皮膚を先生が裁ちばさみで切った。哀れだった」との証言に目を閉じる生徒もいた。

 平和を守るために考え、行動するよう呼びかけられた生徒たち。小林瑛茉さん(14)は「あまりにつらいけれど目を背けず、被爆の事実を伝えていきたい」と話した。原爆資料館や原爆の子の像も見学した。

 新制度はセンターが旅費や平和学習の経費として生徒1人当たり3千円を助成する仕組み。19日には同校に職員を派遣し、原爆被害の概要を伝える事前学習を開いた。今後5年で100校の受け入れを目指す。(樋口浩二)

(2025年5月22日朝刊掲載)

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