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被爆者の切明さん 3冊目の証言集 広島の市民グループが電子出版

 市民グループ「ノーモア・ヒバクシャ継承センター広島」は、被爆者の切明千枝子さん(95)=広島市安佐南区=の証言集「切明千枝子 ヒロシマを生き抜いて Part3」を電子出版した。無料。

 切明さんは、爆心地から約1.9キロの比治山橋東詰め付近(現南区)で被爆。宇品へ逃げる途中に黄金山の中腹から火の海になった市内を見て、震えながら涙を流した記憶や、軍国主義教育を受けて育った経験を今回載せた。戦地に向かう直前の叔父に、父が「死んじゃダメだ」とこっそり伝えていた様子を見て「父ちゃんは非国民」と感じたエピソードもある。

 旧陸軍被服支廠(ししょう)の前で証言をしていた3年前に黄金山へ逃げたことを思い出した。切明さんは「恐怖のあまり封じ込めていた記憶を残せた」と話す。34ページ。希望者にメールで送る。keisho.center.h@gmail.com(桧山菜摘)

(2025年5月26日朝刊掲載)

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