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被爆地から発信 若者に呼びかけ UNIDIR ガイス所長が講演

 スイス・ジュネーブの国連軍縮研究所(UNIDIR)のロビン・ガイス所長が24日、広島市中区の広島国際会議場で核軍縮などをテーマに講演した。広島県内の大学生や高校生計80人に、被爆地広島からの発信の大切さを訴えた。

 ガイス所長は、多くの国で軍事費が増えている点を挙げ「先が見えない時代に誰もが不安になっている。核抑止の時代に戻る懸念がある」と語った。2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の重要性を指摘。対話が国際協力の基盤になるとし、「若者も積極的に対話を」と促した。

 核の脅威が高まる中、被爆地への注目が高まっていると強調。「過去の記憶を風化させず、広島の声を世界に届ける必要がある」と述べた。

 広島市、広島大、同市立大などでつくるヒロシマ平和研究教育機構が、ガイス所長の訪日に合わせて企画した。ガイス所長は講演に先立ち、中区の原爆資料館や原爆慰霊碑を訪れた。(神田真臣)

(2025年5月25日朝刊掲載)

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