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核兵器保有「理解できない」 アイスランド大統領、被爆地広島を初訪問

 北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領が28日、同国大統領として初めて広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆資料館で被爆の実態に触れ、「悲惨な原爆の破壊を見た後で誰が核兵器を保有すべきだと思うだろうか。私には全く理解できない」と述べた。

 原爆慰霊碑に花輪をささげた後、石田芳文館長と8歳で被爆した小倉桂子さん(87)=中区=の案内で資料館を見学。広島の街並みが破壊される様子をCGで伝える「ホワイトパノラマ」の前では、説明する小倉さんの肩を抱く場面もあった。

 その理由を見学後の報道各社の取材に「悲劇を生き残った彼女がここにいることをうれしく思うと同時に、非常に悲しく思った」と声を詰まらせた。大阪・関西万博に合わせて来日し、被爆地訪問を希望した。「これほどまで二度と起こってはならないことを記憶している場所はない」と強調した。(渡辺裕明)

(2025年5月29日朝刊掲載)

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