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核抑止論を批判 中区でシンポ 平岡元市長が講演

 戦後・被爆80年を記念したシンポジウムが1日、広島市中区の広島国際会議場であった。元広島市長の平岡敬さん(97)が「被爆80年・ヒロシマ再考」と題して講演し、核抑止力に頼る日本政府を批判し、広島市民が核兵器のない世界の実現に取り組む大切さを訴えた。

 平岡さんは、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」で核抑止論が肯定された点を疑問視。「広島の人間として許せなかった。理不尽に腹を立てず議論をしないのが広島の状況」と切り捨てた。

 さらに「広島は核をなくした世界のイメージを掲げることが重要」と指摘。平和記念公園(中区)と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定については「前代未聞だ」と批判した。

 連合広島が主催し、約1100人が参加。高校生平和大使の活動報告や、平和を願うコンサートもあった。(岸慶太)

(2025年6月2日朝刊掲載)

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