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被爆80年 核兵器の真実 写真・映像企画展 東京で開幕

 1945年に撮影した広島原爆の記録写真と映像を集めた「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」が31日、東京都写真美術館(目黒区)で開幕した。被災した広島市民や報道カメラマン、写真家たちが捉えた164点を展示している。8月17日まで。

 開幕式には、撮影者の遺族や主催する報道機関の役員ら約50人が出席。中国新聞社の岡畠鉄也社長が、ウクライナやガザを巡る国際情勢に触れ「世界は戦火がやむ気配がない。核兵器が使われると何が起きるか、事実を知ってもらいたい」とあいさつした。

 企画展は8月6日から約5カ月間に捉えた写真などを時系列で並べる。原爆が投下された直後の広島市民の惨状を写した5枚のほか、壊滅した街、大やけどや放射線の急性障害に苦しむ市民の様子も伝える。日英両言語で解説している。

 福岡県から夫婦で訪れた花田由美子さん(68)は「大きな写真を目の前で見ると、当時の状況を想像しやすい。今の国際情勢を考えると、昔の話とは思えない」と話した。

 中国新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、中国放送、共同通信社が初めて連携して開催。国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」の国際登録を目指し、2023年秋に申請した資料で構成している。一般800円、65歳以上500円、大学生以下無料。月曜休館。(宮野史康)

(2025年6月1日朝刊掲載)

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