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漫画の暮らし 実物で紹介 戦時下の広島・呉描いた「この世界の片隅に」

中区 衣服や食器など並ぶ

 戦時下の広島や呉を舞台にした漫画「この世界の片隅に」で描かれた当時の暮らしぶりを紹介する展示会が、広島市中区のJMSアステールプラザで開かれている。昭和館(東京)と大和ミュージアム(呉市)の主催で、5日まで。無料。

 両館所蔵の資料を中心に計136点が並ぶ。うち89点は、戦時下の市民が使っていた衣服、食器、玩具などの実物資料。それらが作中に描かれた場面もパネル化してある。

 作者のこうの史代さん(西区出身)の原画は5点。戦前から戦後にかけて変化していく家族のだんらん風景が描かれている。呉で建造された戦艦大和の200分の1サイズの模型もある。

 家族3人で訪れた府中町の会社員楠井良雄さん(45)は「『片隅』が当時の暮らしを忠実に描いていると分かり驚いた」と興味深そう。昭和館学芸課の吉葉愛さんは「作中で実際に使われる様子と見比べ、戦中の生活をよりリアルに思い浮かべてもらえれば」と話す。(城戸良彰)

(2025年6月1日朝刊掲載)

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