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[ヒロシマドキュメント 被爆80年] 2023年5月19日 G7首脳 原爆慰霊碑に献花

 2023年5月19日。広島市で先進7カ国首脳会議(G7サミット)が開幕した。広島県や市、経済団体が誘致し、初の被爆地開催が実現。核兵器を持つ米国、英国、フランスを含む参加国と欧州連合(EU)の首脳が平和記念公園(中区)を訪れ、原爆慰霊碑に献花した。

 「核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示す。平和と世界秩序、価値観を守るために結束していくことを確認したい」。岸田文雄首相は22年5月、東京でのバイデン米大統領との首脳会談後、共同記者会見で広島サミット開催を発表した。2月に始まった核保有国ロシアによるウクライナ侵攻も決断の背景にあった。

 迎えた初日。首脳たちは立ち入りが規制された平和記念公園に車列で順次到着すると、臨時休館した原爆資料館の東館へ。1階のガラス張りの壁は白いシートで覆われていた。最後に首相とバイデン氏が入り、40分滞在した。

 非公開の館内で、被爆者の小倉桂子さん(87)=中区=が首脳たちと対面した。8歳の時に爆心地から約2・4キロの自宅そばで被爆。約40年にわたり証言を続けてきた。事前に話す内容の制約は受けなかった。原稿は用意せず、英語で被爆体験や広島の被害を伝えた。(下高充生)

(2025年6月3日朝刊掲載)

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