[被爆80年] 平和への願い 一筆一筆に 書き手に大川さん 広島市職員以外で初原爆死没者名簿 記帳始まる
25年6月3日
広島市は2日、原爆死没者名簿の記帳を始めた。3歳の時に今の南区で被爆した大川純子さん(83)=南区=が新たな書き手に加わった。昨年8月6日以降に死亡が確認されるなどした被爆者の名前を2人で書き入れ、被爆80年の8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典で、原爆慰霊碑に納める。
大川さんは、40年近く担った池亀和子さん(昨年8月に82歳で死去)の後任。歴代15人目の記帳者で、市職員以外では初めて。25年連続で担当する中本信子さん(82)=南区=の知人を通じて声をかけられたという。
2人は市役所で名簿に手を合わせた後、名前と死亡年月日、年齢を筆で記していった。今後は自宅へ持ち帰って記帳を続ける。大川さんは「被爆者として少しでも力になりたい。不安もあり手が震えたが、亡くなった人を思ってしっかり書く」と決意。中本さんは「使命感が強かった池亀さんの遺志を継ぎ、世界平和を願い一人一人丁寧に書きたい」と語った。
名簿は129冊あり、うち127冊に広島の被爆者34万4306人を刻む。市は2日までに新たに2222人の死没者を確認した。別の1冊に長崎の13人を、もう1冊に「氏名不詳者多数」と記す。名簿への登載申請は随時、受け付ける。市原爆被害対策部調査課☎082(504)2191。 (樋口浩二)
(2025年6月3日朝刊掲載)
大川さんは、40年近く担った池亀和子さん(昨年8月に82歳で死去)の後任。歴代15人目の記帳者で、市職員以外では初めて。25年連続で担当する中本信子さん(82)=南区=の知人を通じて声をかけられたという。
2人は市役所で名簿に手を合わせた後、名前と死亡年月日、年齢を筆で記していった。今後は自宅へ持ち帰って記帳を続ける。大川さんは「被爆者として少しでも力になりたい。不安もあり手が震えたが、亡くなった人を思ってしっかり書く」と決意。中本さんは「使命感が強かった池亀さんの遺志を継ぎ、世界平和を願い一人一人丁寧に書きたい」と語った。
名簿は129冊あり、うち127冊に広島の被爆者34万4306人を刻む。市は2日までに新たに2222人の死没者を確認した。別の1冊に長崎の13人を、もう1冊に「氏名不詳者多数」と記す。名簿への登載申請は随時、受け付ける。市原爆被害対策部調査課☎082(504)2191。 (樋口浩二)
(2025年6月3日朝刊掲載)