緑地帯 黒住(國本)奏 平和を学ぶ旅⑤
25年6月4日
2021年、平和教育を学ぶための海外留学生活がコスタリカで始まった。コーヒー畑を眺めながら、小さなバスでガタガタの山道を上った先に、国連平和大学の緑に囲まれたキャンパスがある。花の蜜を吸おうとカラフルな花の周りを飛び回るハチドリ、風に揺れるブーゲンビリア、大きなヤシの木が見える教室に、平和構築の分野で働く人たちが世界中から集まる。
最初の2週間は、環境、人権、メディア、ジェンダー、教育の視点から平和紛争学の授業が進んでいった。講義、ディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション。言葉を交わしながら、それぞれの意見、視点を共有していく。いろいろな国の歴史、伝統、文化、そして個々人の経験で培われた価値観や視点に触れると、自分とは一体何者なのかを意識する時間も長くなる。そして異文化や多様性が凝縮された空間の中で、「違い」だけではなく「同じ」もたくさんあることに気づく。それが私たちをつなぐんじゃないか。それがあるからこそ「違い」を乗り越えて私たちは一緒にやっていけるんじゃないか。
頭と心がずっとフル稼働で一日の終わりにはもうヘトヘトになって、ベッドで息子と一緒に寝落ちする毎日。「頑張り過ぎんように頑張ってきんちゃい」。広島を出る前にお世話になっている方から頂いた言葉が、心に浮かんでくる。大切にしたいものを守れるように、頑張り過ぎないように頑張っていこう。(平和教育ファシリテーター=広島市)
(2025年6月4日朝刊掲載)
最初の2週間は、環境、人権、メディア、ジェンダー、教育の視点から平和紛争学の授業が進んでいった。講義、ディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション。言葉を交わしながら、それぞれの意見、視点を共有していく。いろいろな国の歴史、伝統、文化、そして個々人の経験で培われた価値観や視点に触れると、自分とは一体何者なのかを意識する時間も長くなる。そして異文化や多様性が凝縮された空間の中で、「違い」だけではなく「同じ」もたくさんあることに気づく。それが私たちをつなぐんじゃないか。それがあるからこそ「違い」を乗り越えて私たちは一緒にやっていけるんじゃないか。
頭と心がずっとフル稼働で一日の終わりにはもうヘトヘトになって、ベッドで息子と一緒に寝落ちする毎日。「頑張り過ぎんように頑張ってきんちゃい」。広島を出る前にお世話になっている方から頂いた言葉が、心に浮かんでくる。大切にしたいものを守れるように、頑張り過ぎないように頑張っていこう。(平和教育ファシリテーター=広島市)
(2025年6月4日朝刊掲載)