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首相、「はだしのゲン」引用し自戒 参院委

 「その場その場で言うことを変える権力者にはなりたくない」。5日の参院文教科学委員会で、石破茂首相が漫画「はだしのゲン」の登場人物を引き合いに、自らを律する一幕があった。無所属の宮口治子氏(広島)への答弁。

 漫画の感想を問われた首相は、敗戦まで町内会長として戦意高揚を唱えた鮫島伝次郎の名前を挙げ「戦争が終わったら、あたかも自分はずっと平和を唱えてきたんだと。言うことをころっと変えた」と批判。「ゲンに指摘されてたじろいだ。ああなってはいかんと自分に置き直して考えるところだ」と自戒した。

 首相は漫画好きで知られる。はだしのゲンを「この10年以内に問題意識を持って全巻読んだ」と説明した。平和教育について問われると「子どもの頃から行い、どうすれば平和が実現するか議論しないと力を持たない」と述べ、核抑止論の必要性を改めて訴えた。(堀晋也)

(2025年6月6日朝刊掲載)

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