緑地帯 黒住(國本)奏 平和を学ぶ旅⑦
25年6月6日
「いつか田舎暮らしをしたいなあ」。昔からぼんやりと思っていた。親友のご実家がある広島市佐伯区の湯来町に四季折々遊びに行くうちに、湯来が大好きになり、いつか田舎に住むならこの町がいいな、と思うようになった。
自然豊かなコスタリカの田舎町での暮らしを体験し、そこに生きる人々の姿や、自分らしくのびのびと育つ息子の様子に触れ、自然と共に暮らしたい、という思いが強くなっていった。大学院留学を終え、息子の小学校入学まであと1年と少しという時に、いよいよ湯来町での家探しを始めた。なかなか良い物件に巡り合えない中、友人から空き家情報の連絡をもらい、すぐに見に行った。そこには、理想がそのまま形になったような和風の家があった。一緒に付いてくる田畑も、農業をやりたいと思っている私たちでも何とかできそうな広さ。見に行ったその日に即決した。
湯来での暮らしは、控えめに言っても最高だ。美しい水内川に豊かな山々。町内の皆さんも私たち移住者を温かく迎えてくれた。畑のことや町内のことを教えてくれたり、脱走した猫を助けてくれたり、野菜を分けてくださったり。子どもたちは小学校で地域の方から、米作りや伝統芸能の田楽も学んでいる。コスタリカで学んだ平和教育の在り方が当たり前のようにこの地に息づいている。なんて美しいんだろうと、毎日思う。ここに引っ越してきて本当に良かったなあ。(平和教育ファシリテーター=広島市)
(2025年6月6日朝刊掲載)
自然豊かなコスタリカの田舎町での暮らしを体験し、そこに生きる人々の姿や、自分らしくのびのびと育つ息子の様子に触れ、自然と共に暮らしたい、という思いが強くなっていった。大学院留学を終え、息子の小学校入学まであと1年と少しという時に、いよいよ湯来町での家探しを始めた。なかなか良い物件に巡り合えない中、友人から空き家情報の連絡をもらい、すぐに見に行った。そこには、理想がそのまま形になったような和風の家があった。一緒に付いてくる田畑も、農業をやりたいと思っている私たちでも何とかできそうな広さ。見に行ったその日に即決した。
湯来での暮らしは、控えめに言っても最高だ。美しい水内川に豊かな山々。町内の皆さんも私たち移住者を温かく迎えてくれた。畑のことや町内のことを教えてくれたり、脱走した猫を助けてくれたり、野菜を分けてくださったり。子どもたちは小学校で地域の方から、米作りや伝統芸能の田楽も学んでいる。コスタリカで学んだ平和教育の在り方が当たり前のようにこの地に息づいている。なんて美しいんだろうと、毎日思う。ここに引っ越してきて本当に良かったなあ。(平和教育ファシリテーター=広島市)
(2025年6月6日朝刊掲載)