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日鉄跡地整備で特別委 呉市議会方針 地域活性化を議論

 呉市の日本製鉄(日鉄)瀬戸内製鉄所呉地区跡地での防衛省の複合防衛拠点の整備案を巡り、呉市議会は拠点整備を見据えた地域活性化について議論する特別委員会を設置する方針を決めた。9日に開会する市議会定例会で設ける。一方、整備に反対する市民団体が、市内全域での住民説明会を求めて提出した請願もこの定例会で審議する。 日鉄呉跡地活性化検討特別委員会は、市議9人での構成を予定する。整備案を地場企業の活性化や、地域経済の浮揚につなげる取り組みを検討。整備案のゾーニング(機能配置)の民間企業の誘致エリアに進出する企業と地場企業との取り引きなどを念頭に置き、国への要望なども協議する。

 拠点整備で移住してくる自衛隊員と地元住民の交流活動の活性化などの議論も想定している。ベテラン市議は「特別委での継続的な議論を生かし、企業誘致に伴う経済効果を最大化させたい」と狙いを明かす。委員には整備に反対している市議も入る。

 市議会は5月16日の市議会議会協議会(全員協議会)で、防衛省案を受け入れる市の方針を賛成多数で了承。中田光政議長は同23日、新原芳明市長と防衛省を訪ね、中谷元防衛相に早期整備を要望していた。

 6月の定例会には、整備に反対する市民団体「日鉄呉跡地問題を考える会」が提出した請願が上程される。市内全域で住民説明会を直ちに開くよう市に求める内容で、4月24日に市が初めて開いた住民説明会で出席しなかった新原市長の同席も要求した。防衛省案に反対の立場を取る市議3人が紹介議員となる。(高木潤)

(2025年6月6日朝刊掲載)

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