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　自動車用のドアミラー製造などの石﨑グループ（広島市安芸区）は８月６日の平和記念式典に合わせ、中区大手町２丁目の石﨑本店パーキングを無料開放する。原爆投下で壊滅的な被害を受けた創業の地。被爆８０年に合わせ、初めて無料開放を企画した。（榎本直樹）

　午前７時～９時半、１１階建てビルの２～１０階の駐車場１５０台分を先着順で無料にする。午前の７～８時に入庫し、８時半～９時半に出庫した車が対象。入庫時、式典の参加者かどうかを聞いて確認用の紙を渡す。出庫時、その紙を持つ人に無料券を渡す。

　石﨑グループは、板ガラスの卸売業「石﨑信雄商店」として１９１８年に創業した。地域で有力なガラス問屋だったが、爆心地近くにあった会社は原爆投下で跡形もなく壊滅。２代目社長となる石﨑五郎氏が終戦後に復員し、４６年に復興に取りかかった。

　東洋工業（現マツダ）向けに自動車用ガラスを納めるようになり、会社は成長を遂げた。７３年、創業地に５階建ての本社ビルを建設。２～５階を覆う縦長のガラスは当時、日本一の大きさとして話題を呼んだ。９６年、本社を安芸区矢野新町に移転し、９８年に現在のビルが完成した。

　石﨑グループは「今後も平和都市広島の企業として、地域とともに成長したい」と願っている。

（２０２５年６月１３日朝刊掲載）