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被爆の実態 語り継ぐ時 東区で集会 当時3歳 松本さん証言

 被爆の実態を語り継ぐ集会が15日、広島市東区の広島ロードビルであった。市民約90人が参加し、松本滋恵(ますえ)さん(83)=中区=の被爆体験と、被爆体験伝承者の話を聞いた。

 松本さんは3歳の時、爆心地から約3キロの旧江波町(現中区)の自宅で被爆。原爆投下前日に、爆心地から約0・5キロの左官町(現同区本川町)にあった母の実家からたまたま自宅に戻ったとし「もし、もう1泊していたら…」と語った。

 栗原貞子など原爆文学者の研究にも取り組む松本さん。「原爆詩人たちの思いを何かの形で残したい」と活動への思いを明かした。

 市内の伝承者2人も「平和は皆で懸命に守らないと逃げてしまう」などの被爆者のメッセージを紹介。熱心に聞いていた西区の亀井正美さん(70)は「被爆者が減る中で学び、何とか伝えていかねば」と話していた。

 県原水協や県労連などでつくる原水爆禁止世界大会の県実行委員会が企画した。(神田真臣)

(2025年6月16日朝刊掲載)

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