核兵器使用 懸念広がる イスラエル、イラン空爆 広島の被爆者ら
25年6月14日
13日に起きた核兵器保有国イスラエルによるイランの核関連施設の空爆は、被爆地広島に不安の波を広げた。被爆者や平和活動に取り組む若者たちからは、武力行使への非難や核兵器使用を懸念する声が相次いだ。
広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(83)は「第3次世界大戦が始まり、核兵器が再び使われるのではないかと非常に憂慮している」と表情を曇らせた。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員でもあり、核兵器も戦争もない世界を目指してきた。「戦争は国家が起こすが、犠牲になるのはいつも国民だ。『もうやめなさい』と訴えたい」
もう一つの県被団協は、イスラエルのネタニヤフ首相宛ての抗議文を在日大使館にメールで送った。佐久間邦彦理事長(80)は「武力行使は必ず報復を生む。ロシアによるウクライナ侵攻以降、核のタブーが壊れつつあると懸念している。いかなる場合も武力攻撃は許されないと反対する」と語気を強めた。
「攻撃が起こるまで、各国のリーダーをはじめ自分たちも事態を放置してきた部分はないか」と話すのは、市民団体「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の田中美穂共同代表(30)。「核兵器使用につなげないため、認識を改め声を上げ続けなければ」と主張した。
広島県の湯崎英彦知事は県庁で報道各社の取材に「むき出しの暴力で、物事を解決しようという動きが許容されるような風潮があるのは非常に憂慮される」と指摘。核関連施設が破壊されれば、放射性物質が飛散する危険性もあるとして「厳にやめるべきだ」と非難した。
日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(93)は「政府には事態の沈静化に役割を果たしてほしい」と求めている。
(2025年6月14日朝刊掲載)
広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(83)は「第3次世界大戦が始まり、核兵器が再び使われるのではないかと非常に憂慮している」と表情を曇らせた。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員でもあり、核兵器も戦争もない世界を目指してきた。「戦争は国家が起こすが、犠牲になるのはいつも国民だ。『もうやめなさい』と訴えたい」
もう一つの県被団協は、イスラエルのネタニヤフ首相宛ての抗議文を在日大使館にメールで送った。佐久間邦彦理事長(80)は「武力行使は必ず報復を生む。ロシアによるウクライナ侵攻以降、核のタブーが壊れつつあると懸念している。いかなる場合も武力攻撃は許されないと反対する」と語気を強めた。
「攻撃が起こるまで、各国のリーダーをはじめ自分たちも事態を放置してきた部分はないか」と話すのは、市民団体「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の田中美穂共同代表(30)。「核兵器使用につなげないため、認識を改め声を上げ続けなければ」と主張した。
広島県の湯崎英彦知事は県庁で報道各社の取材に「むき出しの暴力で、物事を解決しようという動きが許容されるような風潮があるのは非常に憂慮される」と指摘。核関連施設が破壊されれば、放射性物質が飛散する危険性もあるとして「厳にやめるべきだ」と非難した。
日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(93)は「政府には事態の沈静化に役割を果たしてほしい」と求めている。
(2025年6月14日朝刊掲載)