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戦争と平和 記者の思いは 広島の報道写真展で対談

 広島市中区の旧日本銀行広島支店で開かれている報道写真展「戦争と平和」に合わせ、被爆者や核政策の取材を長年続ける2人の記者が16日、会場で対談した。写真を取り上げながら、平和観や若い世代への期待を語った。

 共同通信社の太田昌克編集委員と中国新聞社の金崎由美ヒロシマ平和メディアセンター長が登壇した。太田編集委員は、広島、長崎や紛争地では子どもたちが被害を受けてきたと指摘。特に放射線被害に関し「若者が背負う。そういう視点で子どもの写真を見てほしい」と呼びかけた。

 金崎センター長は、かっぽう着で軍事教練に励む女性の姿など太平洋戦争に突き進むカットに触れ、「決して過去のことではない。現在に引きつけて考えてほしい」と強調。平和な社会をつくるには選挙での投票など一人一人の行動が大切になると説いた。

 市民や学生約220人が聴いた。山陽女学園中等部3年の中嶋桃子さん(14)=佐伯区=は「子どもの被害をしっかり直視し、戦争のない世界へどう行動するかを考え続けたい」と話した。写真展は23日まで。午前10時~午後5時で無料。(樋口浩二)

(2025年6月17日朝刊掲載)

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