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　２０２５年６月１７日。平和記念公園（広島市中区）にある国立広島原爆死没者追悼平和祈念館が独自に収集している被爆体験記が前日から１編増え、３８７３編になった。０２年の開館前に旧厚生省が集めていた分などを含めると、所蔵総数は１５万９６３編に上る。

　「この街や川の中に被爆した方々の沢山（たくさん）の涙が鎮まっていることを忘れないで欲しい」「気力があり割と記憶が明確である今しかないと思い、重い腰を上げパソコンに向かっています」…。独自収集分は今年に入ってからも７５編を積み増した。

　埼玉県に住む高橋桂子さんも４月に執筆した。「私は今８３才です。この年になったからこそ、被爆体験を書かせていただきます。私は被爆者だと言うこと　隠してきました」。こう書き出し、便箋６枚につづった。（下高充生）

（２０２５年６月１９日朝刊掲載）