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[戦後80年 芸南賀茂] 呉空襲 映画が伝える、残す。 40年前に製作 広島で上映会 来月4日

 呉市民たちが40年前に、呉空襲について伝えるために作ったセミ・ドキュメント映画「赤い月の街―呉空襲」の上映会が7月4日、広島市中区の市映像文化ライブラリーである。無料。

 映画は35分。空襲で焼け野原になった呉の写真や米軍機が撮影した動画、地元の画家が描いた逃げ惑う市民の絵などに、体験者の証言の朗読を乗せて空襲の実態に迫る。被災した親子の悲しい物語は、影絵も織り交ぜて描いている。

 製作の中心となった朝倉邦夫さん(88)は高校教諭を務めながら、1974年に「呉戦災を記録する会」を発足させた。集めた証言や資料を基に85年、この映画を作った。当時の高校生や人形劇の同好会なども参加した。朝倉さんは「証言者はいずれいなくなる。悲惨な戦争を伝える資料や作品を残していくことが大切」と話す。

 上映は午後2時からと6時からの2回。初回上映後に朝倉さんと広島フィルム・コミッション(中区)の西崎智子さんのトークがある。8月20日と9月3日にも上映する。両日は一般380円など。同ライブラリー☎082(223)3525。(小林旦地)

(2025年6月20日朝刊掲載)

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