被爆地の声に心寄せ 両陛下 広島訪問 伝承者ら活動へ励み
25年6月20日
広島市中区の原爆資料館を19日に訪問された天皇、皇后両陛下との懇談に、被爆者と、その記憶を受け継ぐ伝承者たちが臨んだ。「戦争は絶対に嫌」との声に神妙にうなずく両陛下の姿に、平和への思いを感じ取り、今後の証言活動への励みにした。(編集委員・東海右佐衛門直柄、山本真帆)
両陛下は面会した4組5人に「若い世代に一番伝えたいことは何ですか」などと声をかけて回った。高齢の被爆者の前では時折中腰になり、話を聞いた。
最初に向き合った笠岡貞江さん(92)=西区=は爆心地から3・5キロの江波町(現中区)の自宅で被爆。両親を原爆で亡くし、兄に育てられた体験を切々と伝え、陛下から体調をいたわる言葉をかけられた。
笠岡さんの被爆体験伝承者として活動する大河原こころさん(35)=安芸高田市=も付き添った。「これからも活動を続けていかれるといいですね」との皇后さまの言葉に、「もっといろんな国の人に伝えていきたい気持ちが強くなった」と思いを新たにした。
「戦争は絶対に嫌」と両陛下に伝えたのは被爆者の梶本淑子さん(94)=西区。「(ウクライナや中東での)世界の戦争もやめてほしい」と語り、皇后さまは「平和は大切ですね」と優しく言葉を返したという。
被爆体験伝承者の庄野愛梨さん(22)=広島県安芸太田町=は「目の前の子どもたちにこれからも平和の大切さを伝えたい」。才木幹夫さん(93)=中区=は「時間をオーバーして資料館をご覧になられた。被爆の状況を感じていただけたと思う」と受け止めた。
夜には両陛下の滞在先近くで歓迎行事があり、参加した県民たちがちょうちんを掲げた。
(2025年6月20日朝刊掲載)
両陛下は面会した4組5人に「若い世代に一番伝えたいことは何ですか」などと声をかけて回った。高齢の被爆者の前では時折中腰になり、話を聞いた。
最初に向き合った笠岡貞江さん(92)=西区=は爆心地から3・5キロの江波町(現中区)の自宅で被爆。両親を原爆で亡くし、兄に育てられた体験を切々と伝え、陛下から体調をいたわる言葉をかけられた。
笠岡さんの被爆体験伝承者として活動する大河原こころさん(35)=安芸高田市=も付き添った。「これからも活動を続けていかれるといいですね」との皇后さまの言葉に、「もっといろんな国の人に伝えていきたい気持ちが強くなった」と思いを新たにした。
「戦争は絶対に嫌」と両陛下に伝えたのは被爆者の梶本淑子さん(94)=西区。「(ウクライナや中東での)世界の戦争もやめてほしい」と語り、皇后さまは「平和は大切ですね」と優しく言葉を返したという。
被爆体験伝承者の庄野愛梨さん(22)=広島県安芸太田町=は「目の前の子どもたちにこれからも平和の大切さを伝えたい」。才木幹夫さん(93)=中区=は「時間をオーバーして資料館をご覧になられた。被爆の状況を感じていただけたと思う」と受け止めた。
夜には両陛下の滞在先近くで歓迎行事があり、参加した県民たちがちょうちんを掲げた。
(2025年6月20日朝刊掲載)