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[戦後80年 芸南賀茂] 呉工廠空襲 犠牲者悼む 警固屋の住民や子どもたち 「殉国之塔」と周辺を清掃

 呉市の旧呉海軍工廠(こうしょう)への米軍の空襲から80年を迎えた22日、呉市警固屋の鍋山団地の自治会役員や子どもたち約30人が、犠牲者を慰霊する石碑「殉国之塔」と周辺を掃除し、亡くなった工員や動員学徒、女子挺身(ていしん)隊員たちの冥福を祈った。

 鍋山第一公園に集まった参加者は、水で碑の汚れを落とし、周りをほうきで清めた。自治会の平見清会長(76)は、10代の子どもを含む476人が亡くなったとされる空襲について話した。警固屋小6年西尾優広さん(11)は「多くの人が集まってくれるよう、頑張って掃除した。二度と戦争をしては駄目だ」と話した。

 この日は、地元の仏教婦人会の追悼法要もあり、約10人が焼香した。自身も1945年7月の空襲で家を失ったという小出順子さん(91)は「なぜここに碑があるか伝え継いでほしい」と願った。(衣川圭)

(2025年6月23日朝刊掲載)

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