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節電誓う夏至の夜 広島 原爆ドームなど消灯

 一年で最も昼間が長い夏至の21日夜、広島県内の公共施設や観光地で一時的に夜間の照明を消す取り組みがあった。地球温暖化対策の一環で節電を呼びかけようと、自治体や企業が取り組んだ。

 平和記念公園(広島市中区)では午後8時、原爆ドームを照らしていた照明が一斉に消えた。骨組みや外壁が暗闇にうっすら浮かび上がると、道行く人が幻想的な光景を写真に収めていた。市内であったコンサートの帰りに立ち寄った愛知県東海市の会社員麦田大悟さん(28)は「原爆被害をより生々しく感じる。今の平和が永久に続いてほしい」と見つめていた。

 広島市はこのほか、広島城天守閣(中区)エディオンピースウイング広島(同)など計13カ所の照明を1~3時間ずつ落としたという。県によると、この日の消灯には県内約70カ所の施設、事業所などが加わった。

 身近にできる温暖化対策を考えてもらおうと、環境省が2003年に開始。19年以降は広島県、市などが独自に続けている。(伊藤友一)

(2025年6月22日朝刊掲載)

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