[被爆80年] 沖縄戦学び 犠牲者悼む 「慰霊の日」坂中と府中中で平和学習
25年6月24日
「現在の戦争考える機会に」
沖縄慰霊の日の23日、坂中(坂町)と府中中(府中町)の生徒が、それぞれの学校で平和学習に取り組んだ。戦後80年の節目に合わせて初めて企画。戦没者に黙とうをささげたり、沖縄戦について学んだ成果を発表したりした。(石川昌義)
今年から修学旅行の行き先を沖縄県にした坂中では、2年生約100人が集会を開いた。米軍の猛攻撃にさらされ、多くの住民の命が奪われた沖縄戦を思い、全員で黙とう。現地での組織的戦闘が終わったとされる日を「慰霊の日」とした経緯を学んだ。
12月の修学旅行では、戦没者の名前を刻んだ平和祈念公園(糸満市)の「平和の礎(いしじ)」や、南方で戦死した県出身者を追悼する「ひろしまの塔」を訪ね、恩納村の中学生と交流する。宮田真瞳(まな)さん(14)は「米軍基地など、今も続く戦争の影響について知りたい」と関心を深めていた。
府中中では生徒会が中心となり、全クラスをオンラインでつないだ全校学習を企画した。傷病兵の看護に当たった「ひめゆり学徒隊」に代表される住民を総動員した戦時体制や、沖縄県民の4人に1人が命を落としたとされる激しい地上戦について、生徒会役員が約680人の生徒に解説した。
「なぜ、国同士が衝突するのか」「暴力以外に解決策はあるのか」のテーマで、教員を交えて意見交換もした。生徒会書記の3年萬屋(まんや)美結さん(14)は「住民を巻き込む戦争が今も世界各地で続いていることを考える機会になれば」と願っていた。
(2025年6月24日朝刊掲載)