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広島二中の慰霊碑改修 新たに原爆死2人判明

 広島市中区の平和記念公園の本川左岸に建つ県立広島二中慰霊碑で二十八日、原爆死していたのが分かった生徒二人の名前を新たに刻むなどの改修作業が行われた。中国新聞社が遺族の協力を得て昨年十一月にまとめた「遺影は語る」広島二中編の報道を受け、現在の観音高校の同窓生らも加わる「碑保存会」(寺本和彦会長)が「原爆被災の事実を正しく伝え残し、亡くなった学友を慰霊するために」と手直しした。

 新たに刻まれたのは、一年生の北林哲夫さんと二年生の小林健次さん。父の転任で和歌山県から一九四五年七月に転校した北林さんは八月六日、建物疎開作業に動員された本川左岸で被爆し、翌日に亡くなった。兵庫県に住む母はつゑさん(87)は「広島二中に通い、原爆で死んだという息子のあかしが残り、胸のつかえが取れた思いがします」と話していた。

 また、生存が確認されている生徒二人のうち元一年生一人の名前を削り、四人の名前の一部を直した。もう一人の生存者も連絡がつき次第、削る。改修作業が完了すると、二中慰霊碑に刻まれる生徒は一年生三百二十一人、二年生九人、三年生二人、四年生九人、五年生三人(うち二人は呉空襲による死亡)の計三百四十四人となる。

(2000年4月29日朝刊掲載)

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