「核の被害に無知」 被爆地、正当化発言に怒り
25年6月26日
米軍によるイランの核施設攻撃を広島、長崎への原爆投下と「本質的に同じ」と述べた25日のトランプ米大統領の発言に対し、被爆地広島に即座に怒りの声が広がった。80年前の原爆投下を正当化し、核超大国のトップとして現在の使用へのハードルの低さを示すかのような発言。被爆者や市民は「許されない」「核の被害に無知」と非難した。
日本被団協代表委員を務める広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(83)は「広島と長崎を例に自分の立場を正当化している。容認できない」と反発した。昨年の日本被団協のノーベル平和賞受賞で核使用の恐れが高まる国際社会に警鐘が鳴らされたにもかかわらず、核の脅威をふりかざすトランプ氏の発言に怒りは収まらない。
発言は、原爆投下を正当化する米国の根強い考えを映し出す。広島市の被爆者で証言活動を続ける新井俊一郎さん(93)も「とんでもない発言だ。米国は広島、長崎への原爆投下で核兵器のパンドラの箱を開けたのに、その人類への罪を考えていない」と語気を強めた。
核施設への攻撃は、核兵器の非人道性の象徴である放射線被害を生む可能性がある。市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の森滝春子共同代表(86)は「核がもたらす結果に無知としか言いようがない。今後も米国が紛争の解決手段として同様の攻撃をしかねず、恐ろしい」と憤った。(山下美波)
(2025年6月26日朝刊掲載)
日本被団協代表委員を務める広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(83)は「広島と長崎を例に自分の立場を正当化している。容認できない」と反発した。昨年の日本被団協のノーベル平和賞受賞で核使用の恐れが高まる国際社会に警鐘が鳴らされたにもかかわらず、核の脅威をふりかざすトランプ氏の発言に怒りは収まらない。
発言は、原爆投下を正当化する米国の根強い考えを映し出す。広島市の被爆者で証言活動を続ける新井俊一郎さん(93)も「とんでもない発言だ。米国は広島、長崎への原爆投下で核兵器のパンドラの箱を開けたのに、その人類への罪を考えていない」と語気を強めた。
核施設への攻撃は、核兵器の非人道性の象徴である放射線被害を生む可能性がある。市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の森滝春子共同代表(86)は「核がもたらす結果に無知としか言いようがない。今後も米国が紛争の解決手段として同様の攻撃をしかねず、恐ろしい」と憤った。(山下美波)
(2025年6月26日朝刊掲載)