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トランプ大統領の原爆正当化発言 米に抗議の姿勢示さず 林官房長官 「緊密に意思疎通」

 トランプ米大統領が米軍によるイランの核施設攻撃を広島、長崎の原爆投下と「本質的に同じ」と正当化した発言に関し、林芳正官房長官は26日の記者会見で米側に抗議する姿勢を示さなかった。発言への評価を避け「米側と緊密に意思疎通を図っていく」などと述べるにとどめた。

 林氏は原爆投下について「大変多くの尊い命を奪い、病気や障害などで言葉に尽くせない苦難を強いた人道上極めて遺憾な事態をもたらした」と説明。「国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しない」と従来の見解を繰り返した。

 一方、原爆を引き合いに軍事行動を正当化した米側に抗議するか問われると「原爆に関するわが国の基本的な考え方は、累次の機会に米側に伝達している」と抗議しない姿勢をにじませた。原爆投下が戦争終結につながったとの言説に対しては「歴史的な事象に関する評価は、専門家で議論されるべきものだ」と語った。(中川雅晴)

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 公明党の斉藤鉄夫代表は26日、トランプ米大統領の発言について「原爆投下を正当化する発言であり、極めて遺憾だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

(2025年6月27日朝刊掲載)

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