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[戦後80年 備後] 「おこりじぞう」の大型紙芝居 四国五郎の古里 三原で企画展始まる

 三原市大和町出身の四国五郎(1924~2014年)が作画した絵本「おこりじぞう」に焦点を当て、戦後80年を振り返る企画展が26日、同市宮浦の市芸術文化センターポポロで始まった。みはら文化芸術財団が主催し、7月5日まで。無料。

 大型の紙芝居として制作されたパネル(縦120センチ、横195センチ)16枚を、ストーリーをたどるように展示。欧州での反核運動の高まりを受け、82年に広島市で開かれた大会「平和のためのヒロシマ行動」に向け、看板用の白布と速乾性アクリル絵の具を使って四国が1週間で完成させた。

 それぞれのパネルに、おこりじぞうの原画も併せて並べ、作画を担当した他の絵本や詩集も会場に置いている。

 四国は現在の大和町に生まれ、10歳の時に家族と広島市へ転居。徴兵されて旧満州(中国東北部)で敗戦を迎え、シベリアに抑留された。弟を原爆で失い、復員後は反戦平和の画業や詩作に打ち込んだ。

 財団は「生涯をかけて反戦を絵や詩で表現してきた四国。古里の三原でこの機に焦点を当て、戦争や原爆を見つめ直してほしい」としている。今月28日午後2時から、会場でおこりじぞうの絵本の読み語りがある。(川崎崇史)

(2025年6月27日朝刊掲載)

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