[ヒロシマの空白] 被爆地の歩み映す資料 森下さんから広島大へ
25年6月30日
被爆者で元高校教諭の森下弘(ひろむ)さん(94)=広島市佐伯区=が保管する平和教育や平和活動などの大量の資料が、広島大文書館(東広島市)に収蔵される見通しになった。被爆地広島の歩みを映す資料は多岐にわたり、貴重な文献も含まれる。同館は年内をめどに資料を移し、整理して今後公開する。
石田雅春副館長たち3人が10日、森下さんの自宅を訪れ、約2時間かけて資料を選んだ後、コンテナ約10箱を運び出した。この日は平和教育に関する文書が中心で、森下さんが1970年代に編さんした平和教育の副読本「明日に生きる」の教材作りに集めた文献などを含む。同館は月1回を目安に搬出を続ける。
森下さんはNPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC、中区)の活動の中心も長年担い、関係者にとって資料の整理や活用は課題だった。WFCメンバーが各資料の見出しや年代、形態を調べる作業を進め、3年かけて目録を作った。森下さんの意向をくみ、母校の広島大が資料の受け入れを決めた。
森下さんは「年を取り資料を今後どれだけ使えるか分からない。いろいろ生かしてもらえれば」と話す。(山本祐司)
(2025年6月30日朝刊掲載)
石田雅春副館長たち3人が10日、森下さんの自宅を訪れ、約2時間かけて資料を選んだ後、コンテナ約10箱を運び出した。この日は平和教育に関する文書が中心で、森下さんが1970年代に編さんした平和教育の副読本「明日に生きる」の教材作りに集めた文献などを含む。同館は月1回を目安に搬出を続ける。
森下さんはNPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC、中区)の活動の中心も長年担い、関係者にとって資料の整理や活用は課題だった。WFCメンバーが各資料の見出しや年代、形態を調べる作業を進め、3年かけて目録を作った。森下さんの意向をくみ、母校の広島大が資料の受け入れを決めた。
森下さんは「年を取り資料を今後どれだけ使えるか分からない。いろいろ生かしてもらえれば」と話す。(山本祐司)
(2025年6月30日朝刊掲載)