×

ニュース

[被爆80年] 小頭症被爆者 79歳の祝い きのこ会結成60年 近況報告や合唱

 原爆小頭症の被爆者や家族たちでつくる「きのこ会」は28日、広島市東区の保養施設「神田山荘」で当事者の79歳の誕生会を開いた。オンラインを含む広島県内外の5人が参加。支援者たち約50人から祝福を受けた。

 参加者はケーキのろうそくの火を吹き消し、花束や折り鶴を受け取った。「作業所に通っています」「カープの応援をしています」などと近況を報告。合唱も楽しんだ。廿日市市の賀村春男さん(79)は「来年も元気に」と笑顔を見せた。会員で1月に78歳で亡くなった岸君江さんに黙とうもささげた。

 会は結成60年。会員が体の衰えを訴える中、兄が当事者の長岡義夫会長(76)=広島市安佐南区=は「心穏やかに幸せが感じられるよう、生活のお手伝いをしたい」と話した。

 小頭症被爆者は妊娠初期の母親の胎内で強力な放射線を浴び、生まれながらに知的、身体障害がある。会は、原爆症認定▽終身保障▽核兵器廃絶―の三つを柱に1965年6月27日に発足。現在は小頭症被爆者10人が会員になっている。(山下美波)

(2025年6月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ