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[被爆80年] 核兵器廃絶が唯一の解決策 ホールバーグ事務総長

 パグウォッシュ会議のカレン・ホールバーグ事務総長が27日、中国新聞のインタビューに応じ、広島市で開く世界大会への抱負や緊迫する世界情勢について語った。(小林可奈)

 パグウォッシュ会議は、科学者や政策担当者、外交官たちとの非常に大きなネットワークを持っている。メンバーは、イスラエルやパレスチナなど立場が違う国・地域の出身者が多数いる。被爆地広島において幅広い視点で議論できることは意義深い。世界大会では六つの作業部会に分かれ、核軍縮や核不拡散、中東問題などを話し合う。

 今こそパグウォッシュ会議の原点であり、核戦争による人類滅亡の脅威に警鐘を鳴らした「ラッセル・アインシュタイン宣言」(1955年)に立ち返りたい。対話による平和構築の促進を、世界大会で打ち出す宣言の根底にすべきだ。

 核兵器の制御にも影響を及ぼし得るAIといった新技術も台頭する今、危険を避けるための唯一の解決策は核兵器をなくすことだ。世界大会の参加者には、核の惨禍を知る広島で「二度と繰り返してはならない」という思いを新たにしてほしい。

 1964年アルゼンチン出身。同国のバルセイロ研究所で博士号を取得。専門は物理学。優れた女性科学者に贈られる「ロレアル・ユネスコ女性科学賞」を2019年に受賞。今年1月から現職。

(2025年6月28日朝刊掲載)

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