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[被爆80年] 平和に思いはせ宣誓へ 高校野球広島大会 国泰寺の原田主将 前身の「一中」369人が犠牲

 7月5日にある第107回全国高校野球選手権広島大会の開会式で、選手宣誓を務める国泰寺高の原田悠生主将(17)は、被爆80年を意識して宣誓文を練り上げる。同校の前身、旧制広島一中は生徒教職員369人が原爆で犠牲になった。節目の年に大役を担う意義をかみしめ、「平和への思いをつなげたい」。

 期末テストを終えた27日の練習前、校内の慰霊碑「追憶之碑」に手を合わせた。死没者の名前が刻まれた碑の前で黙とう。20日にあった組み合わせ抽選会の直後にも訪れ、選手宣誓への決意を報告した。

 毎年7月に同校で開催される原爆死没者慰霊祭に出席し、同校独自の授業「グローバル平和探求」で、戦争や核兵器について学んできた。「戦争と関わりのある学校。だから考えてきた」という思いを発信する。

 この1週間、盛り込みたい言葉を書き出した。「平和への思い」「広島の歴史」「未来へ」―。「亡くなった方々は僕らと同じ年代だった。平和であり続けることは難しいからこそ、常に意識したい」と思いをはせる。(矢野匡洋)

(2025年6月28日朝刊掲載)

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