国連軍縮部 レジンバル欧州事務所長 若者の核廃絶活動 高く評価
25年7月1日
「軍縮フェローシップ」に合わせ広島を訪れた国連軍縮部欧州事務所(スイス・ジュネーブ)のメラニー・レジンバル所長が30日、中国新聞のインタビューに応じ、若い世代が核軍縮を担うことの世界的な意義を強調した。(金崎由美)
「軍縮フェロー」に参加する若手外交官たちは1983年以降、日本政府の招きで広島と長崎を訪れており、参加者は計千人を超える。日本政府の協力による42年間の蓄積は本当に貴重だ。
軍縮・不拡散や安全保障を巡る議論や交渉は机上で行われる。しかし被爆地を訪れ、実際に被爆者の証言に耳を傾けることで、参加者は戦争や兵器が人間に何をもたらすのか、なぜ軍縮と平和が重要なのかを実感する。被爆地での研修は、自国と緊張関係にある国からの参加者と共に行動し、対話する機会でもある。それが後に人間同士のネットワークになる。
確かに現在、世界は地政学的にも非常に困難な状況にある。こんな時こそ、「軍縮は平和にとって大切だ」と声に出し続けなければならない。その意味からも、国連は若者に軍縮の重要性を伝える教育を重視している。
核兵器廃絶を目指して署名を集め、国連欧州本部を訪れてくれる「高校生平和大使」の活動も高く評価している。私自身、高校生から贈られた千羽鶴を職場に飾り、毎日目にしながら「核兵器が決して使われないために仕事をしているのだ」と原点に立ち返っている。日本と世界の若者の行動は、必ず世界に影響を与えると信じている。
1974年カナダ生まれ。カナダ外務省で対人地雷禁止条約(オタワ条約)の実施などを担当後、国連へ。中南米で勤務し、2022年から現職。ジュネーブ軍縮会議の副事務総長を兼務。
(2025年7月1日朝刊掲載)
「軍縮フェロー」に参加する若手外交官たちは1983年以降、日本政府の招きで広島と長崎を訪れており、参加者は計千人を超える。日本政府の協力による42年間の蓄積は本当に貴重だ。
軍縮・不拡散や安全保障を巡る議論や交渉は机上で行われる。しかし被爆地を訪れ、実際に被爆者の証言に耳を傾けることで、参加者は戦争や兵器が人間に何をもたらすのか、なぜ軍縮と平和が重要なのかを実感する。被爆地での研修は、自国と緊張関係にある国からの参加者と共に行動し、対話する機会でもある。それが後に人間同士のネットワークになる。
確かに現在、世界は地政学的にも非常に困難な状況にある。こんな時こそ、「軍縮は平和にとって大切だ」と声に出し続けなければならない。その意味からも、国連は若者に軍縮の重要性を伝える教育を重視している。
核兵器廃絶を目指して署名を集め、国連欧州本部を訪れてくれる「高校生平和大使」の活動も高く評価している。私自身、高校生から贈られた千羽鶴を職場に飾り、毎日目にしながら「核兵器が決して使われないために仕事をしているのだ」と原点に立ち返っている。日本と世界の若者の行動は、必ず世界に影響を与えると信じている。
1974年カナダ生まれ。カナダ外務省で対人地雷禁止条約(オタワ条約)の実施などを担当後、国連へ。中南米で勤務し、2022年から現職。ジュネーブ軍縮会議の副事務総長を兼務。
(2025年7月1日朝刊掲載)