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東混、「原爆小景」披露へ 広島で6日 地元合唱団と公演 山下一史さん指揮 「平和の尊さを共有」

 「東京混声合唱団と共につくるコンサートinヒロシマ」が6日、広島市中区のJMSアステールプラザである。東京混声合唱団(東混)が被爆2世の指揮者山下一史さん(63)=東区出身=の指揮で合唱曲「原爆小景」を披露するほか、市民と共に平和の祈りを込めて歌声を響かせる。

 「原爆小景」は被爆作家原民喜の同名の詩に着想を得て、作曲家の林光さん(2012年に80歳で死去)が1958年から約40年かけて完成させた。「水ヲ下サイ」「日ノ暮レチカク」「夜」「永遠(とわ)のみどり」の4楽章で構成。原爆投下直後の壮絶な光景や被爆者の苦しみ、希望が歌われる。

 日本を代表するプロ合唱団の東混は、58年に「原爆小景」を初演して以来、歌い続けてきた。広島公演は3年ぶり。山下さんは、被爆者だった母博子さんの証言と民喜の詩を重ね、「今、世界の至る所で戦争が起こり、不穏な動きが広がっている。音楽を通し、平和の尊さを共有したい」と訴える。

 コンサートは被爆80年に合わせ、広島の主な合唱団が企画した。1、2部で東混の約30人が「原爆小景」などを歌い、3部で地元合唱団も加わり「原爆を許すまじ」など、ヒロシマゆかりの合唱曲を披露する。午後2時開演。残席わずか。一般4千円など。☎082(295)5065。(桑島美帆)

(2025年7月1日朝刊掲載)

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