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[被爆80年] 「あの苦しみ 二度と…」 被爆体験伝承者、佐伯中で講話

 廿日市市の佐伯中で1日、被爆体験伝承者による講話があった。広島大病院研修医の井上つぐみさん(25)=広島市南区=が、3学年の計約130人に原爆で孤児となった故川本省三さんの被爆体験を語った。

 井上さんは、川本さんが原爆投下直後に疎開先から広島に戻り、体験したことを紹介。生き残った姉と家族を捜し回ったこと、その時見た悲惨な光景、半年後に姉も亡くしたことを説明した。結婚を申し込んだ相手の親から、被爆者として差別を受けた話も伝えた。

 生前の川本さんが「もう二度と子どもたちにあの苦しみを味わってほしくない」と語っていたことも。川本さんと一緒に作った折り鶴を見せて「川本さんから受け継いだ平和のバトン。戦争を二度と起こさないよう一人一人が考え、語り継ぐことが大事」と訴えた。

 3年生の山本朝陽さん(15)は「平和で幸せな日々を守るため、自分も年下の子に原爆のことを語れるよう学びたい」と話していた。(八百村耕平)

(2025年7月2日朝刊掲載)

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