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原爆忌80年 平和の祈り 本願寺広島別院で門主ら法要

 本願寺広島別院(広島市中区)と浄土真宗本願寺派安芸教区は5日、「全戦争死没者追悼法要並びに原爆忌80周年法要」を同別院で開いた。宗派トップの大谷光淳門主(48)が導師を務めた。門徒や僧侶約350人が集い、死没者を悼んだ。

 法要では、西法寺(佐伯区)の吉崎哲真住職(72)が記念講演。被爆2世の吉崎住職は、戦争に協力した宗派の歴史などに触れつつ、「平和の尊さを日々考えてほしい」と強調した。

 大谷門主は本堂でお勤めをした。続いて門徒たちを前に「釈尊や親鸞聖人のお心にかなうべく、核兵器のない平和な世界の実現に向け、たゆみない歩みを進めてまいりましょう」と呼びかけた。

 崇徳高(西区)2年横山律斗さん(16)、進徳女子高(南区)2年大槻華奈さん(17)は平和のメッセージを朗読した。被爆者の切明千枝子さん(95)=安佐南区=と、森下弘さん(94)=佐伯区=が被爆体験を証言した。

 門徒の山崎深雪さん(64)=中区=は「被爆地であり安芸門徒の地でもある広島で、宗派を挙げて悼み、記憶を継ぐことには特別な意味がある」と話していた。

 追悼法要は1994年から毎年営まれている。大谷門主は被爆70年の2015年以来、10年ぶりに参加した。(城戸良彰)

(2025年7月6日朝刊掲載)

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