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[被爆80年] 故坪井直さん「ネバーギブアップ」 平和宣言 広島市長引用へ

 被爆80年の8月6日に広島市の松井一実市長が平和記念式典で読み上げる平和宣言に、「ネバーギブアップ」の言葉を引く見通しであることが4日、分かった。日本被団協代表委員や広島県被団協理事長を務めた坪井直(すなお)さん(2021年に96歳で死去)が、核兵器のない平和な世界を諦めないとの思いで唱え続けていた。

 松井市長は宣言の冒頭で被爆者の体験を引用する。複数の関係者によると、その中で坪井さんを念頭に、核兵器のない世界をつくろうと若い世代に伝え続けた被爆者の存在を取り上げるという。

 ほかに、被爆直後の街で惨禍を経験したり、結婚差別に遭ったりといった被爆者の苦難も説く。被爆者の体験に基づき紡ぎ出された平和への思いの発信が、これまで以上に重要になっていると伝える。(樋口浩二)

(2025年7月5日朝刊掲載)

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