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[被爆80年] 記憶つなぐ決意新た 「伝承者」の研修始まる

 被爆者の記憶や平和への思いを語り継ぐ広島市の「被爆体験伝承者」で、新たな養成研修が4日、中区の原爆資料館で始まった。本年度は15~79歳の64人が応募。2年を目安に原爆被害や伝わりやすい話し方を学ぶ。

 初日は38人が参加。資料館の学芸員から、原爆被害の概要や戦時下の暮らしについて説明を受けた。幼い頃から市内に住む親戚に資料館へ連れて行ってもらっていたという、さいたま市の大学生吉岡桃花さん(21)は「被爆者の記憶を学び、広島に比べ原爆の話題に触れる機会が少ない関東で伝えたい」と意気込んだ。

 座学は計6回。秋以降、市の「被爆体験証言者」7人の中から引き継ぐ被爆者を決め、対話を重ねて原稿をまとめる。

 伝承者は239人(4月1日現在)が活動している。2024年度は資料館などで計2324回の講話を実施し、12万人余りが聴いた。

 被爆体験証言者と、被爆者の子や孫たち「家族伝承者」は24年9月から随時募集している。一部は、この日の研修に参加した。(下高充生)

(2025年7月5日朝刊掲載)

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