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ヒロシマ画題 15人の代表作 被爆80年 広島で5年ぶり展覧会 会派を超えて平和希求

 被爆80年に合わせ、ヒロシマを画題としてきた広島市在住の画家たち15人が参加する「ヒロシマ平和絵画展」が、広島市中区の旧日本銀行広島支店で開かれている。13日まで。

 被爆75年の節目に始めた展覧会で、今回が5年ぶり2回目。戦争の記憶を残す人や被爆2世たちが会派を超えて集い、代表作23点を並べる。

 米田勁草の「川よとわに美しく」は、原爆ドームを描き、その手前に流れる元安川の川面に、かつて父親に連れられて見た原爆ドームとなる前の「県産業奨励館」を浮かび上がらせた。

 荒井照江の「乙女の祈り」は、長年探究する折り鶴とモニュメントのモチーフ。野尻純三の「2021年1月22日核兵器禁止条約発効」は、原爆で亡くなった無数の家族が歓喜するさまを表現した。条約を批准しない日本政府への怒りを表す作品も併置している。

 水面で揺らぐ原爆ドームの姿に、平和が脅かされている現代社会を象徴させた福長弘志「ゆらぎ」、焼けたヒマワリやチョウが黒い雨に打たれる樋谷邦夫「忘夏(黒い雨Ⅰ)」は、反核・反戦の強いメッセージを伝える。西村不可止の「平和・希望」、千馬弘子の「ひろしま」も、思いが画面にこもる。=敬称略(仁科裕成)

(2025年7月8日朝刊掲載)

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